身についたタイピング:手元より画面の文字に目線を置くと速さが戻る
タイピングの最中、急に速度が落ちたり打ち間違いが続いたりして、つい自分の指やキーの位置を目で追って確かめてしまうことはありませんか。
心理学者のゴードン・ローガンらは2009年、毎日タイピングを大量にこなす熟練者を集め、入力中に自分の手や指の動きそのものへ意識を向けるよう促す実験を行いました。実際の入力自体は止めていないのに、意識を手元に向けただけで入力速度は明らかに落ち、打ち間違いも増えました。タイピングのように、繰り返しで意識せず動くようになった「自動化された動作」に限って言えば、本人が指や手の動かし方を意識した瞬間にその自動性が崩れて遅く・乱れやすくなる、と運動学習の研究でも報告されています。
PCで文章を書く・コードを書く・データを入力するなど、キー位置を見ずに打てるようになった作業ほど、自分の指やキーボードに視線を寄せないようにします。手が止まったり打ち間違いが続いたときも、自分の指の位置を確かめにいくのではなく、すでに画面に書き終えた文字を読み返し、続きで書きたい内容を考え直してから手を動かし直します。手元を意識し直すのは、新しいショートカットキーを覚える最中だけにします。