短い運動休憩:元気は戻っても注意の正確さは戻らない
休憩に階段を上ったり少し歩いたりすると、戻ってきたときに元気が戻った感じがします。ところがその感じは、注意の正確さまで戻ったという意味ではありません。
ニュージーランドにあるオタゴ大学のステンリングらが2019年に、平均19歳の男女32人で実験しました。12段の短い階段を1分間ずっと上り下りし、1分休みます。これを3回行いました。終えた参加者は、元気になった、緊張がほぐれた、疲れが減ったと答えました。ところが、まわりの余計なものに引っかからずに正しく答えるテストの成績は、休憩の前と変わりませんでした。戻ったのは本人が感じる元気で、実際の正確さではなかったのです。
短い運動休憩のあとに置くのは、注意力をあまり使わない作業にしてください。書き写す、音読する、覚えたことを声に出す、といったものです。まちがい直しや答え合わせのように取りこぼしが許されない作業は、少し体を動かしただけの休憩のあとには置かず、仮眠をとるなどしっかり休んだあとに回してください。同じ休憩という言葉でも、戻ってくるものが違います。