書くまでもないと思ったことも書くと、記憶のテストの差が1.7倍になる
作業の途中で数字が出てきたり、あとでやることが浮かんだりします。このくらいなら覚えておけると感じて、頭の中に置いたままにすることがあります。
ストーニーブルック大学のバーネットとリッチモンドは、これまでに行われた実験を集めて分析しました。覚えておくべきことを手元の記録に残せる場面と、頭の中だけで覚える場面を同じ実験の中で比べ、あとで正しく答えられた数を見ています。記録を残せた側が頭の中だけの側を下回った結果は、一つも出ていません。しかも、記録を残せた側とそうでない側の差は、書くものを本人に選ばせた実験より、全部書かせた実験のほうが1.7倍大きくなっていました。記録を残せるときは、人による出来の差も小さくなっていました。
まず、机の端にメモ用紙を一枚置くか、パソコンなら空のファイルを一つ開いておきます。そのうえで、書くか書かないかをそのつど決めるのはやめて、思いついたものは全部そこに書くと決めます。作業中に何か浮かんだら、一行だけ書き足してください。あとで自分が読めれば、きれいにまとめる必要はありません。書くものを選り分けたときより、あとで正しく答えられるものが多くなります。